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第670号 2015(H27) .04発行

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農業と科学 平成27年4月

本号の内容

 

 

特別栽培米への苗箱まかせの利用

岩手県立遠野緑峰高等学校
教諭 木田 深
(現 岩手県立花巻農業高等学校)

1.はじめに

 岩手県立遠野緑峰高等学校は生産技術科(農業の学科)と情報処理科(商業の学科)の併設校である。生産技術科には「課題研究」と称する科目が設置されており,この科目の目標は問題解決能力を身につけることである。生徒は,それぞれの専門に関わる課題を設定してそれを解決する取り組みを実施している。
 筆者は生産技術科で主に作物を担当しており,私が担当している生徒とともに「特別栽培米の収量の向上」を目標に2010年から取り組んでいる。本稿ではその取り組みについて苗箱まかせを使用した2012年から2014年までの成果を紹介する。なお,これに関するデータは筆者と本校の生徒が調査したものである。

2.試験方法

(1)試験区の構成(表1)

 慣行区は基肥と追肥の施肥体系で,基肥は水稲用の複合肥料を窒素成分で6.0kg/10aとし,追肥は幼穂形成期に追肥用化成を2.0kg/10aとした。
 一方,特別栽培米に対するNK3. 9kg区(以下3.9区)は,苗箱まかせHK301-60を3.9kg/10aとなるよう一箱当たりの施肥量を433gとして手作業で計量し施用した。3.9区は分げつ肥として発酵鶏ふんを窒素成分で8.2kg/10aとなるよう施用した。(発酵鶏ふんの量は窒素利用率を50%と仮定し,窒素成分量を慣行区と揃うようにした。)
  これに対して苗箱まかせを通常通り施肥するNK6.4kg区(以下6.4区)は,苗箱まかせNK301-60を窒素成分で6.4kg/10aとなるようー箱当たりの施肥量を711gとして施用した。6.4区の窒素施用量は窒素利用率の高さを考慮して慣行区の2割減とした。また,6.4区のみ「ようりん」でリン酸成分量が慣行区と同じとなるよう補填したが,カリは補填していない。また,3.9区のリン酸・カリともに発酵鶏ふんによって慣行区を上回っているので補填していない。

(2)耕種概要

 供試品種は「あきたこまち」,苗質は中苗で,水管理はプール育苗とした。3.9区のみ岩手県の特別栽培基準に合わせて農薬使用成分を8成分とした。

3.プール育苗期間における苗箱まかせの窒素溶出

 プール育苗においては苗箱まかせの溶出による徒長苗の発生がないか移植時の苗質を調査検討した。床土の量は苗箱に施肥される苗箱まかせの厚さを考慮すると,苗箱の底からの高さは6.4区と3.9区でそれぞれ1.5cmと1.7cmとなった。6.4区の草丈が明らかに短いのは苗箱に充填された床土の量が影響したものと考えられる(図1)。苗箱まかせを施肥しても徒長が発生していない(表2)ことから,苗箱まかせからの育苗中の窒素溶出はほとんどなかったと考えられた。

4.本田期間中の「あきたこまち」の生育

(1)分げつ期

 茎数の推移を図2に示した。慣行区と比較して6.4区の茎数の増加は極めて緩やかであったが,無効茎が極めて少なく(表3),むしろ窒素利用効率が高いと考えられる。移植の直後は草丈がなかなか伸びずにやきもきしたが,結果的には十分な有効茎が確保され,なにも焦る必要はなかった。
 3.9区は6.4区に比較すれば発酵鶏ふんの効果によって分げつはやや旺盛であった。また有効茎歩合も高かった。

(2)登熟期

 3.9 区および6.4区ともに移植直後の生育は抑制気味だったものの(図2),終わってみれば稈長,穂長,㎡当たり穂数のいずれも慣行区と比較して高い水準となった(表4) 。

 いずれの区も有効茎歩合が非常に高かったことから,分げつ期間に窒素肥料の浪費がなかったといえる。つまり,慣行栽培は無効分げつを出すために浪費された窒素肥料が多いので幼穂形成期に必要な窒素肥料を補う必要があり追肥をしなければならないが,苗箱まかせを使えば幼穂形成期以降に必要とする窒素肥料の多くが有効茎に利用される理屈となっている。
 図4は成熟期の草姿(2012年)である。6.4区と3.9区が図1,3のものと並び順が異なっているので,留意して見ていただきたい。

5.収量

 過去3年間の収量を表5に示した。3年間の10a当たりの平均収量は,慣行区の444kgに比較して,3.9区で535kg,6.4区で534kgといずれも20%程度増収した。

6.肥料コストと労働性

 10aあたりの肥料コストは表6のとおりである。慣行区と比較して3.9区はやや割安である。

 ただし,今回は調査していないが,発酵鶏ふんの散布作業にかかる労働コストのことを考慮しなければならない。つまり,「春の発酵鶏ふんの散布」,と慣行栽培の「幼穂形成期追肥作業」を比較しなければならないが,夏の暑い時期にぬかるむ水田を歩きながら重い動噴を背負って追肥作業を行うよりは,春の涼しいときにトラクタに乗ってブロードキャスターで悠々と散布する方を選ぶのが労働者の心理ではないだろうか。

7.まとめ

 特別栽培米においては化学肥料由来の窒素を慣行の半分以下にしなければならないという制約の中で,発酵鶏ふんと併せて苗箱まかせを使うことで収量の向上が図られ,さらに追肥が省略できたことがこの課題研究の成果といえる。
 今後の課題としては前述のとおり,発酵鶏ふんの散布と追肥作業のどちらが重労働であるのかを判断しなければならないことである。
 また,本校では苗箱まかせの施肥を手作業で行ったが,通常は施肥ホッパー(約10万円)を購入しなければならず,初期投資が必要になることも課題と言えなくはない。しかし,特別栽培米で付加価値が付いて,さらに収量が向上していることを考慮すれば,さほど高い買い物ではないといえよう。

 

 

野菜に対する樹脂系被覆肥料の効果的な利用技術
その2 樹脂系被覆肥料を用いた局所施肥の効果と今後の課題

ジェイカムアグリ株式会社 九州支店
技術顧問 郡司掛 則昭

1.はじめに

 本誌(2015年3月号)で紹介したように,樹脂系被覆肥料の機能を最も活かせる施肥法は局所施肥であると考えられるが,実際に現場の技術として定着したのは水稲である。基肥と追肥の慣行施肥体系から暑い夏場の重労働とされていた追肥作業を省略した全量基肥施肥法をいち早く開発し,その後各メーカーによって農業機械や樹脂系被覆肥料の機能強化が進められるとともに,側条施肥や二段施肥などの局所施肥による省力栽培を実現している。さらに,樹脂系被覆肥料の「苗箱まかせ」の登場によって超省力施肥技術である育苗箱全量基肥施肥法の普及へと発展している。
 こうした水稲における局所施肥技術の変遷は,野菜,花,果樹や茶など他の作物にも見られるが,中でも特にインパクトが大きいのは野菜と考えられる。なぜならば,野菜は品目が多い,生育期間も30日から300日くらいまでと幅広い,同一品目でも作型や栽培法,あるいは土壌タイプによって養分吸収特性が異なる,硝酸態窒素を好むものやアンモニア態窒素を好むものがある。さらには栽培法もマルチ栽培や施設栽培,施設では加温栽培等々,バラエティに富んだ特色がみられ,局所施肥もそれぞれにしっかりと対応できる技術でなければならない。
 このためには,樹脂系被覆肥料がもつ
①最短で20日,最長で360日以上と肥効の幅が広く,栽培期間の異なるあらゆる野菜に適応できる,
②リニア型やシグモイド型など野菜の吸収パターンや気温(地温)変化に応じた肥料の選択ができる,
③根域に一度にしかも局所的に施肥しても塩類障害などを引き起こすことなく栽培することができる
などの特徴を存分に活かした施肥法にする必要がある。
 ここでは,野菜に対する樹脂系被覆肥料の局所施肥の効果について言及するとともに,普及の現状と普及を進めていく上での課題について述べたい。

2.野菜栽培における局所施肥のメリット

 樹脂系被覆肥料による施肥法を選択する理由は,①収量水準は慣行施肥と同等以上,②利用率向上によって減肥が可能,③施肥回数削減,④環境負荷低減の効果発現を期待してのことであるが樹脂系被覆肥料の施用がこれらの効果をもたらしているのかどうがを検討するために,これまでに実施された樹脂系被覆肥料を用いた野菜施肥試験の中からいくつかの事例を選択し慣行施肥と比較した収量指数および窒素利用率の関係を図1に示した。ここで窒素利用率は無窒素区との差し引き法,あるいは重窒素トレーサー法によって求められている。
 図1において樹脂系被覆肥料の施肥によって窒素利用率が向上し収量が増加しているのは育苗ポット内に施肥したイチゴ,ネギおよびキュウリ,育苗セル内に施肥したレタス,畝内条施肥したハクサイなどである。これに対してスイカに対する育苗ポット施肥,カボチャに対するマルチ内施肥では慣行施肥よりも肥料窒素の利用率は高くなるが収量は減少する傾向がみられる。一方,キャベツやダイコンに対する全面全層施肥では収量ならびに窒素利用率は慣行施肥と比べ同等かそれ以下であり,また同じ品目でも変動が見られるなど樹脂系被覆肥料の施用効果は判然としない。
 この結果は,野菜の種類や施肥位置によって施用効果に違いは見られるが,概して局所施肥は収量水準を維持し肥料窒素の利用率が高いため減肥や施肥回数削減が可能であり環境負荷軽減に繋がる施肥法であることを示唆している。中でも育苗ポットや育苗セルなどの接触施肥は樹脂系被覆肥料の能力を発揮できる施肥位置と考えられる。

3.野菜栽培における局所施肥の実践優良事例

 局所施肥は樹脂系被覆肥料がもつ様々な機能を引き出せることは前述のとおりであるが,野菜に対する樹脂系被覆肥料のフル活用技術として今後普及していくためには作業の省力性,作業性がプラスされていることが極めて重要である。図1に示したイチゴやレタスに対する育苗ポット施肥やキュウリの植穴施肥などは収量性も窒素利用率も高く減肥できる優れた局所施肥法であることは確かではあるが,施肥作業や定植作業を手作業でやらなければならない点は省力技術としては不十分である。これに対して表1に示した事例は樹脂系被覆肥料を用いた全量基肥施肥を機械化し,省力技術として完成させたものである。以下,それぞれの概要について紹介する。

(1)ハクサイに対する畝内条施肥(池羽,2006)

 これは,畝立てと施肥が同時にできる専用施肥機を開発し樹脂系被覆肥料による局所施肥の軽作業化を実現している点とハクサイやキャベツなど比較的多肥で栽培される他の野菜の全量基肥施肥に対して機械施肥が適用できることを示した点が評価される。
 畝内条施肥は生育一生に必要な肥料量を畝部にしかも作物根に近い部分へすじ条に施肥して肥料の利用効率を高める施肥法で,畝を作って栽培する野菜に対して有効な局所施肥法である。茨城県で行われた被覆燐硝安加里40タイプを用いて畝内条施肥機によって実施した畝内条施肥では,基肥窒素量15gm-2(減肥率35%に相当)とした場合のハクサイの収量は慣行施肥よりも12%高くなることが実証されている。さらに重窒素トレーサー法によって栽培終了後の土壌残存窒素量が畝内条施肥で大きく減少することを認め,省力で環境保全型施肥が可能な施肥技術であることが実証され,ハクサイのほかキャベツやレタス,あるいはセロリーなどの品目についても普及されてきている。

(2)ホウレンソウに対するシートテープ封入施肥(松本,2001)

 畝内条施肥が専用施肥機を開発しそれを利用した局所施肥技術であるのに対して, 日常的に行われている栽培法を応用したのがシードテープ封入施肥である。これはホウレンソウの播種作業の省力技術として利用されている水溶性のシードテープに種子を封入し播種する栽培技術を利用して,種子とリニア型被覆尿素肥料30タイプを交互に封入して,そのまま催芽して専用播種機で施肥同時播種を可能にしている。これによりホウレンソウの収量は速効性肥料を用いる慣行施肥と同等以上であるが,溶出窒素の利用率は70~100%(無肥料区との差し引き法)と大きく上回り,施肥量は慣行施肥の1/3~1/4と大幅削減が可能となることが認められている。
 この施肥技術の特徴は,被覆肥料による条施肥とホウレンソウ栽培で慣行として実施されているシードテープ播種技術を上手に融合させて省力的な施肥技術に作り変えている点にあり,特別な施肥機を必要としないコスト的なメリットがある。現在ホウレンソウ生産農家で普及されている技術であり,ホウレンソウ以外に播種を伴うニンジンやダイコンなど根菜類栽培への応用が期待されている。

(3)チェーンポット内施肥(山本,2009)

 チェーンポット内施肥法はテープシーダー封入施肥と同様に既存の栽培技術を応用した局所施肥法である。これはネギの定植作業を省力,軽作業化するために開発されたチェーンポット(連結紙筒)で育苗し,そのまま専用機で移植する省力移植技術に樹脂系被覆肥料の局所施肥を組み合わせた接触施肥法である。チェーンポット育苗は千葉県では80%程度のネギ生産農家が採用している育苗法で,チェーン状に連結したペーパーポットに育苗箱に敷いてこれに培土を詰めて播種し育苗する方法である。定植は専用の定植機で引っ張るだけで簡単に等間隔に定植できる作業性が高いメリットがある。
 たとえばチェーンポット内に育苗箱当たり600gの施用量に相当するシグモイド型被覆燐硝安140タイプを窒素施肥量12gm-2(減肥率34%に相当)で全量基肥施肥した夏採りネギの収量は慣行施肥に比べて21%増収し,施肥窒素利用率も22%上昇することが認められている。

(4)野菜に対する局所施肥の効果と普及上の留意点

 以上のように,樹脂系被覆肥料をうまく活用するには野菜の種類や栽培法に応じて適切な施肥法を選択することが大切であり,局所施肥は最も機能を発揮できる施肥法であると考えられる。特に畝内条施肥やチェーンポット内施肥のような接触施肥は利用率向上による施肥量削減,収量性向上や環境負荷軽減の効果だけでなく省力技術としても優れており,今後野菜全般への普及が期待できる施肥法である。ただし,畝内条施肥では施肥機の価格や汎用性,チェーンポット内施肥では培土や肥料の充填が手作業であるなどの問題も指摘されており,今後普及を加速していくためには改善する余地が残されていると思われる。

4.局所施肥技術の普及状況

 肥効調節型肥料を利用した施肥法の中で,局所施肥は樹脂系被覆肥料の機能を存分に活かし減化学肥料栽培を確実に生産現場において実践できる施肥技術であるが,現在の普及状況はどうなっているのであろうか。
 持続的生産環境に関する農家アンケート調査(2002,農林水産省)によれば,化学肥料低減では,露地野菜で56.5%,施設野菜で66.2%が「有機質肥料の施用」と回答しているのに対して「肥効調節型肥料の施用」はそれぞれ24.8%,28.5%と低い結果となっている(表2)。局所施肥は稲作部門が16.0%と高いが,露地野菜は5.3%,施設野菜は5.0%と低いレベルであった。

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 翌年度の調査(2003,農林水産省)では,局所施肥実施農家の割合はそれぞれ20.3%,25.9%と局所施肥を実践する野菜農家数は増加傾向にあることが認められたが,局所施肥実施農家において被覆肥料を使用した農家の割合は露地野菜で5.9%,施設野菜で15.7%とごくわずかであった(表3)。この実施農家割合が低い原因は,調査実施時期が1999年の持続農業法制定から2,3年しか経っておらず局所施肥技術がまだ周知されていないことの影響が大きいと推察される。

 最近の樹脂系被覆肥料による局所施肥実施農家の実態は把握できていないが,持続農業法制定から15年が経過しエコファーマー認定農家数が大幅に伸びできている状況(図2,農林水産省)を考慮すれば,局所施肥を実施している農家は増加していると推測される。これは被覆肥料の年間生産量が2001~2002年の68千トン~72千トンに比べて2011年では90千トンと1.8倍程度に増加していることからも支持されよう。

5.今後の普及拡大に当たっての技術的課題

 今後,樹脂系被覆肥料を用いた施肥技術を更に普及していくために重要と考えられる技術的な課題は以下のように整理される。

1)安定した溶出特性をもつ樹指系被覆肥料の提供

 現在多くの野菜の品目,品種,作型などにきめ細かく対応できるように多数の樹脂系被覆肥料が提供されており,生産者は幅広い品揃えの中から適当な肥料を選択し安心して施肥する環境が整備されている。これを担保するのは被覆肥料が常に安定した溶出特性を示す製品であることが必須条件であり,肥料メーカーによる厳しい品質管理の継続が必須である。

2)接触施肥における育苗管理マニュアルの作成

 育苗ポット施肥などの接触施肥では,比較的小さい育苗容器に育苗培土と被覆肥料を充填するため苗の生育に必要な培土の水分量を保持しにくい,容器毎に施肥量が変動しやすい,高温期には被覆肥料から成分の溶出が安定しないなど苗質(生育の揃い,根鉢形成)への影響が懸念される。このため接触施肥における適正な温度管理,水管理が簡単に行えるような健苗育苗のための管理マニュアルを作成する必要がある。また培土や肥料の充填法の精度向上や効率化も課題である。育苗時の成分の溶出については,厳密に溶出制御された接触施肥専用肥料が現在開発されており育苗トラブルは減少傾向にある。

3)温度や養分吸収に関するデータベースの整備

 樹脂系被覆肥料は温度の変化によって肥料成分の溶出を予測できるので,作物の養分吸収特性が把握できれば最適な肥料形態や組合せはシミュレーションによって決定できる。温度データについては,マルチ栽培や施設栽培されることが多い野菜ではアメダス温度データで代替できない場合もある。栽培条件(品目,作型,栽培様式,土壌タイプなど)に応じた温度(地温)に関するデータベースを整備する必要がある。また,養分吸収に関しては尾和(1996)や金沢(2009)のデータベースがあるが,野菜は品種や作型,作付け体系の変遷が激しくそれに応じて養分吸収特性値も変動している。最新の品目や作型に応じた養分吸収データベースの更新が望まれる。

4)被膜の環境負荷軽減対応

 樹脂系被覆肥料は原料肥料を分解性の低い樹脂で被覆しているため肥料成分の溶出が終わると,被膜殻が土壌中に残存し,場合によっては圃場外へ流出する恐れがある。樹脂系被覆肥料のうち,アルキド系など熱硬化性樹脂は植物油脂由来脂肪酸をエステル結合させており自然界において加水分解をうけ崩壊する性質がある。一方,ポリオレフィン系など熱可塑性樹脂ではそのままでは分解性が低いため,現在では光崩壊触媒を利用することで被膜の崩壊性を高めた技術が実用化されている。最近,生分解性資材を利用して被膜の圃場外流出を抑制した被覆肥料が開発され, くみあい被覆窒素肥料「Jコート」として販売が予定されている。

引用文献

●池羽正晴 2006
 畝内条施肥機を利用した秋冬ハクサイの施肥改善,
 圃場と土壌,10・11月号,47-51

●小菅佐代子・山田ゆき・東隆夫・三枝正彦 2001
 肥効調節型肥料を利用したイチゴの育苗ポット全量施肥栽培,
 土肥誌,72,88-91

●松本美枝子 2001
 施設ホウレンソウ(テープ封入肥料による合理的施肥)
 農業技術大系追録第12号 第6-①巻 技術242の2-7

●農林水産省統計情報部 2002
 平成13年度持続的生産環境に関する実態調査,1-6

●農林水産省大臣官房統計部 2003
 平成14年度持続的生産環境に関する実態調査,1-4
 農林水産省大臣官房政策課情報分析室 2014
 平成25年度食料・農業・農村白書,147-50.

●金津健二 2009
 都道府県の施肥基準及び堆肥の施用基準値のデータベース並びに作物の収穫物の養分含有率のデータベースとその利用法,
 中央農業総合研究センター研究報告,12

●尾和尚人 1996
 わが国の農産物の養分収支,平成8年度関東東海農業環境調和型農業生産における土壌管理技術に関する第6回研究会資料,
 農林水産省農業研究センター,1-15

●山本二美 2009
 野菜栽培における窒素肥料低減化技術の開発に関する研究,
 千葉県農林総合研究センター特別報告,第1号

●全農肥料農薬部編 1998~2012
 全農肥料委託試験成績書(野菜)